Home > 患者さんのための基礎知識 > ①鍼は痛い?灸は熱い/痕が残る?

①鍼は痛い?灸は熱い/痕が残る?

10月 3rd, 2005

【鍼灸治療を受けるために知っておきたいこと】
Q:鍼は痛い?灸は熱い/痕が残る?
A:
これは、はじめて鍼灸治療を受けるに当たって、いの一番に思い浮かぶ質問でしょう。私たちの日常生活での身近な経験……縫い針を誤って刺したら痛いですし、鍋など焼けたものに触れると大変熱くやけどする……から想像すると、鍼灸治療は痛みや熱さなど結構な苦痛を伴うのではないかと誤解されやすいためです。実際、鍼灸院に初めて来院する方々から、治療前に同様の質問をよく受けます。中には、病の治療なのだから、痛くなければ、また熱くなければ効かないのではないかと考える方もいます。しかし、できるだけ苦痛を伴わず最大の効果を得られる治療方法があるのなら、みなそちらを望むでしょう。鍼灸治療もそうです。ですから、痛み、熱さを抑えるいろいろな工夫がなされています。
 まず「鍼」については、痛みを起こしにくいように日本の鍼は大変細いのです。よく使用される太さは直径0.18〜0.20mmほどで、縫い針の3分の1程度です。細いと扱いにくくなりますので、刺す時に鍼管という管を使います。鍼管は、鍼刺入時のたわみから起こる痛みを抑え、管底面部が皮膚面を伸ばすことで痛みを和らげます。また、鍼尖は痛みの起こりにくい形に研がれています。さらに、治療者側も種々の手技を用い、できるだけ痛みの無い治療に努めます。この結果、鍼治療時には縫い針を刺した時のような痛みをほとんど感じないのが普通です。
 次に「灸」です。こちらはさすがに、皮膚の上でモグサを燃やすのですから熱くないはずはありません。なにせ、モグサの燃焼部分の温度は数百℃もあるのです。しかし、通常使用されるモグサの大きさは米粒や半米粒大です。実際皮膚面で温度を測定してみると、最大で60〜80℃ほどです。また、皮膚面まで燃えると同時に消えますので、熱さというよりも「チッ」とする痛みに感じられることが多いようです。大変面白いのですが、この感覚も慣れてくると心地よくなってくるから不思議です。灸痕も小さいですが残ることもあります。近年は、痕を残すことを嫌われる方も多いため、温灸を用いる場合も増えています。
(岡本芳幸)
■毎日ライフ2004年4月増刊号■より

患者さんのための基礎知識

Comments are closed.