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②鍼灸治療はどんな疾患に効くの(適応症)?

10月 3rd, 2005
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【鍼灸治療を受けるために知っておきたいこと】
Q:鍼灸治療はどんな疾患に効くの(適応症)?
A:
わが国では鍼灸治療は、肩こり治療の代名詞と言われるくらい広く認識されています。その他、腰・膝・肩・頸の痛みの順で、運動器系の疾患に伴う「痛み」に対する治療が実施されています。また、現在、明らかにされている鍼灸の作用機序(作用のしくみ)からも、末梢循環障害や疼痛性疾患、自律神経機能異常による症状などに対して鍼灸治療は効果的と考えられています。
 さらに、近年ストレス社会といわれるほどに、精神的ストレスをため込んでいる方も多く見受けられています。このようなストレスから、慢性的な疲れ、あるいは頸や肩のこりからの頭痛、ぐっすり眠れない、朝起きてもすっきりしない、食欲がなく胃のあたりがなんとなく重いなどの症状の自覚があるにもかかわらず、病院での西洋医学的な検査を受けてもなんの異常も見つからなかった、こういった症状の場合も、東洋医学特有の病気を発症する前段階で治療し病気の発症を予防するという「未病治」の考えに基づき、積極的に治療が行われ効果を上げています。
 その他、鍼灸治療が得意とする疾患や症状を表に示しました。この中には効果発現のメカニズムに関して、いまだ解明されるには至っていませんが、臨床経験から鍼灸治療が適応する疾患や症状も含まれています。
(弘中昌博)

鍼灸が得意とする疾患、症状
●運動器系疾患
 頸椎症・肩こり・五十肩・変形性膝関節症・腰痛・腱鞘炎・テニス肘など
●消化器・呼吸器系疾患
 慢性胃炎・食欲不振・便秘・下痢・痔疾・気管支喘息・鼻炎・感冒・扁桃炎など
●疼痛性疾患
 頭痛・坐骨神経痛・術後疼痛・ヘルペス後神経痛・三叉神経痛など
●循環器系疾患
 本態性高血圧症・低血圧症に伴う諸症状・冷え症など
●泌尿器・産婦人科系疾患
 月経異常・更年期障害・逆子・不妊・インポテンス・尿失禁など
●感覚器系疾患
 仮性近視・眼精疲労・メニエール病・耳鳴・難聴など
●小児疾患
 夜尿症・小児神経症・消化不良など
●その他
 自律神経失調症・不眠症・肥満・片麻痺・顔面神経麻痺・アレルギー疾患など
■毎日ライフ2004年4月増刊号■より

患者さんのための基礎知識

①鍼は痛い?灸は熱い/痕が残る?

10月 3rd, 2005
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【鍼灸治療を受けるために知っておきたいこと】
Q:鍼は痛い?灸は熱い/痕が残る?
A:
これは、はじめて鍼灸治療を受けるに当たって、いの一番に思い浮かぶ質問でしょう。私たちの日常生活での身近な経験……縫い針を誤って刺したら痛いですし、鍋など焼けたものに触れると大変熱くやけどする……から想像すると、鍼灸治療は痛みや熱さなど結構な苦痛を伴うのではないかと誤解されやすいためです。実際、鍼灸院に初めて来院する方々から、治療前に同様の質問をよく受けます。中には、病の治療なのだから、痛くなければ、また熱くなければ効かないのではないかと考える方もいます。しかし、できるだけ苦痛を伴わず最大の効果を得られる治療方法があるのなら、みなそちらを望むでしょう。鍼灸治療もそうです。ですから、痛み、熱さを抑えるいろいろな工夫がなされています。
 まず「鍼」については、痛みを起こしにくいように日本の鍼は大変細いのです。よく使用される太さは直径0.18〜0.20mmほどで、縫い針の3分の1程度です。細いと扱いにくくなりますので、刺す時に鍼管という管を使います。鍼管は、鍼刺入時のたわみから起こる痛みを抑え、管底面部が皮膚面を伸ばすことで痛みを和らげます。また、鍼尖は痛みの起こりにくい形に研がれています。さらに、治療者側も種々の手技を用い、できるだけ痛みの無い治療に努めます。この結果、鍼治療時には縫い針を刺した時のような痛みをほとんど感じないのが普通です。
 次に「灸」です。こちらはさすがに、皮膚の上でモグサを燃やすのですから熱くないはずはありません。なにせ、モグサの燃焼部分の温度は数百℃もあるのです。しかし、通常使用されるモグサの大きさは米粒や半米粒大です。実際皮膚面で温度を測定してみると、最大で60〜80℃ほどです。また、皮膚面まで燃えると同時に消えますので、熱さというよりも「チッ」とする痛みに感じられることが多いようです。大変面白いのですが、この感覚も慣れてくると心地よくなってくるから不思議です。灸痕も小さいですが残ることもあります。近年は、痕を残すことを嫌われる方も多いため、温灸を用いる場合も増えています。
(岡本芳幸)
■毎日ライフ2004年4月増刊号■より

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