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新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 
 昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症となり、ようやくコロナ禍以前の日常が戻ってきました。海外との往来が復活し、10月にはインバウンド(訪日)外客も以前を上回る数となり、今後は、あはき業界においても、日本語のできない方々とのコミュニケーションや、多文化への理解が求められるでしょう。インバウンド対策に活用できる、AIを用いたオンラインのサービスも充実してきました。
 
 あはき師養成施設においても、すでにデジタルネイティブの(インターネットやデジタル機器がある環境で生まれ育った)学生が大半を占めています。入学生の学習環境が大きく変化してきたことに対応して、あはき教育においても、それに応じた新しい方法や手法を模索していく必要があるでしょう。

 学校協会では、一昨年より電子教材検討会を立ち上げ、既存の教科書の電子化を進めてまいりました。2024年度からは、ほぼすべての教科書の電子版を提供し、学校単位での採用と個人購入が選択いただけるようになりました。今後は、電子教材の推進および作成、学生がよりよく学べるための方法の提案を進めていく予定です。

 さて、2018年4月にあはき師養成カリキュラムが改正されて5年が経ちました。当初は5年後の見直しが予定されており、今後のカリキュラム改訂が気になる方も多いかと存じます。しかし、コロナ禍で通常の臨床実習が行えなかったことや、ほぼ遠隔授業のみで卒業した学年もあることなどから、あはきカリキュラムにおいては、まずは前回のカリキュラム改正後の検証から始めていくことも重要だと考えております。

 東洋療法学校協会は、日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会、鍼灸学系大学協議会、日本伝統鍼灸学会、全日本鍼灸学会とともに、日本東洋医学サミット会議(JLOM)に参加しております。一昨年立ち上がった「鍼灸電子カルテ標準参照仕様の策定に関する会議」では、鍼灸臨床データ(鍼灸のリアルワールドデータ)構築につながる鍼灸電子カルテの標準仕様が検討されています。リアルワールドデータは、日本の医療全体において、鍼灸がどのように活用されているかを表現する、説得力のあるエビデンスとなるでしょう。こうしたことを見据えて、電子カルテの使用やデータ活用のできるあはき師を育てる取り組みが必要です。
 最後に、皆様の益々のご発展を祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。


公益社団法人東洋療法学校協会
会長 清水尚道
© Japan College Association of Oriental Medicine.

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