7〜14歳
気中にはさまざまな細菌が浮遊して
いますが、私たちは生来もっている
免疫機能のおかげで、細菌が体内に侵入し
ても病気にかからずにすんでいます。学校
では多くの人に接するので、集団感染によ
り学級閉鎖や学校閉鎖を強いられることも
珍しくありません。そういうときも、細菌
に対する抵抗力や強い免疫力をもっていれ
ば、病気にかからずにすみます。鍼灸には
そういう力を高める作用があることが古く
から知られています。
 鍼灸治療の目的は全身の機能を正常に働
かせ、病気にかかりにくい身体をつくるこ
とですから、鍼灸治療を受ける患者の多く
は健康管理を目的としているのも、この鍼
灸の力を患者自ら体得したからでしょう。
 自我の芽生えとともに、友人関係で悩ん
だり、勉強についていけなかったりと、学
校に行くようになるとさまざまな悩みもか
かえるようになります。精神的に不安定な
状態が続くと、子供でも神経性の下痢や腹
痛に襲われたり、免疫機能が衰えて、心身の
不調の悪循環が起こりがちですが、古くか
ら心と身体の関係を重視し、その調和を図
ることを治療の目的としている鍼灸治療は
大変効果的です。
 この時期の女子に特徴的なのが整理に伴
う悩みです。小学校の高学年から中学入学
前後には多くの女子が初潮を迎えます。し
かし、この時期には子宮がまだ十分には発
育しておらず、かなりの女子が生理不順や
生理痛を経験します。よほどひどい症状が
ない限りは我慢するか、市販の痛み止めの
薬で抑えることが多いのですが、生理のた
びに強い薬を飲むというのは好ましいとは
いえません。その点、鍼灸は副作用を伴わ
ずに痛みを抑えることができ、女性ホルモ
ンの調和にも効果的で理想的な治療法だと
いえます。
  黄帝内経には、「女性は7歳になると
腎気が充たされだし、歯が抜けかわり、
毛髪も長くなってくる」と書かれてい
ます。


生理学
 10歳頃からは性差がはっきりしはじ
め、女子は乳房がふくらみ、月経を迎
え、脂肪も蓄積しはじめます。10〜12
歳の約2年間に身長が著しく伸び、以
後発達速度は急速に鈍くなります。
エイズウイルス
免疫機能と東洋療法
 鍼灸は古くから細菌が原因の「細菌性炎症」に即効を示して
きました。これは、鍼灸治療によって白血球の数が増える等の
免疫機能が増進するためです。白血球には外部から侵入してき
た細菌を飲み込んで殺してしまう機能があり、その白血球が増
えれば、病気にもかかりにくいというわけです。
 病気にかかりやすい、小児喘息にかかっているというような
子供の場合はとくに、一時しのぎの薬より、時間をかけて体質
を改善する鍼灸を継続することが望ましいでしょう。
(1) 鍼灸の施術直後に各種白血球の数が増加して2〜3日間その
数を保ち、数週間施術を継続するとリンパ球も増加する
(2) 各種白血球が血管内を流れる平均遊走速度が速くなる
(3) 施術後、黄色ブドウ珠菌に対する白血球の喰菌力が通常の
1.5倍は増加する
という研究結果の報告からもわかるように、鍼灸の効果は科学
的にも立証され、エイズなど西洋医学でも解明できないような
病気の治療法として、いま注目されているのです。